ある週の土曜日。




いつもは営業の日だけど、今日だけは志帆さん達の用事で定休日に。






久しぶりの休みに早起きをしなくていいという気の緩みからか、いつになく深い眠りについていた。






目を覚ますキッカケになったのは、リズムのいい包丁の音。






耳に入ってくる音に重い瞼を開けて周りを見渡してみる。






「あれ……」






隣にいるはずの先生がいない。






そして、いつもより遅く八時にセットしたはずのアラームが鳴る前にとめられているではないか。





現在の時刻は、昼の十一時を差し掛かったところ。






「寝坊だぁぁ!!!」






勢いよくタオルケットから身体を出し、キッチンへと向かう。






先生に朝ご飯を作ってあげてないし、洗濯も掃除も何もしていない。





休みだからって気を抜き過ぎてしまった。





先生に呆れられてたらどうしよう。






「せんせっ!!!」