「よし、着いたぞー。」






あれから無事先生と合流し、お母さんにも笑顔で行ってきますと言えた。





少し重い荷物も先生が軽々とトランクへと運んでくれて、何も苦労することはなかった。






ただ、一つ予想外だった事といえば…。







「まぁ、これも運命だな。」






駐車場から部屋へと向かう途中、エレベーターの中で先生が小さく呟いた。






「恵那…」






今、車の中には恵那ともう一人。






私達には予想外だった進藤先生が乗っている。







先生に事情を聞いて納得はしたけど、恵那の焦りようは半端じゃなかった。






進藤先生を見つけた瞬間はあまりに焦りすぎて帰ると走り出したんだけど…。





それを進藤先生が追いかけて阻止してくれた。






そこからは、全員で「こんな暗い中一人は危ない」と説得し、半ば強制的に車に乗せた。






そして、ついでに喫茶店を見に行こうって事になって…。






「今ごろ何話してるんですかね。」






「さぁなー、キスでもしてたりしてな。」






「なっ…!!」






「ははっ、嘘だよ。」







先生の冗談に本気で顔を赤くしていると、エレベーターが部屋の階へと止まった。






先生が先に出て、私はその後についていく。






うーん、恵那に悪いことしちゃったかなぁ。






先生が私を部屋へと案内してくれてから三人で喫茶店へと向かうみたいなんだけど、先生は駅まで二人を送って部屋へと帰ってくる。







とゆうことは、必然的に駅からは恵那と進藤先生の二人きりなんだよね。