恵那には場所は教えない。






これは先生と少し前に決めたんだ。







来てもらうけど、一人では来させない。








だって、せっかく来てくれるなら一緒に来てほしいもん。








「進藤先生と二人で来てね。」








「えぇっ??!」








「場所は進藤先生に教えとくから。予定あわせてねー。」







「なっ、ちょ…伊緒まっ『キーンコーンカーン…』」






恵那が慌てて私の服を掴もうとする。







それをスルリとすり抜けて歩きだすと、ちょうど良いタイミングで予鈴が鳴った。









「あっっいおーっ!!」








その音に驚いている恵那を置いて、ゆっくりと教室に足を向けた。







「ふふふっ」








慌ててお弁当をしまっている恵那が可愛い。