「何の為にここまで来たと思ってるんだ?」





少し怒っている先生が私を見る。






「今は先生禁止。名前で呼べ。」







私の耳元でそう囁いて、先生はニヤリと笑った。






その顔に、私は思わず目を丸くする。






そして、わかったか?という問いかけに頷くと、手を口から離してくれた。








「前出来なかったからな。言っただろ?今度は遠くのスーパーに行こう、って。」






「え?」







「ほら、おいで伊緒。」







「!!!!!」








私の前に差し出された大きな手。







その手にゆっくり自分の手を置くと、二人の手が重なった。







優しく握られる私の手。






そこから伝わってくるのは、大好きな先生の温もり。