車までの道が長く感じてしまう。
お互い無言のまま、ただひたすら歩いている。
先生は、私がいくら呼びかけても振り向いてくれようとはしないし…。
『また後日挨拶に伺わせて頂きます』という先生の言葉が頭の中を支配して、もう何がなんだか解らない。
もしかして、全部先生の作戦とかであまり意味はないのかな?
意識しているのは私だけで、先生にとってはただの嘘とかなのかな。
「おい、伊緒。」
「……はい。」
やっとの思いで着いた車の前。
繋がれた右手は、ずっとそのまま。
「さっきの……嘘じゃないからな。」
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