「ん?あぁ、そうだな。そろそろ行こうか。」 「はい。」 棒立ちだった足を動かし、靴へといれてゆく。 今日は普段はあまり履かないパンプス。 スニーカーばかり履く私が珍しくパンプスを履き、少し大人の格好をした。 「気をつけてね。先生、伊緒の事宜しくお願いします。」 「はい、任せて下さい。」 そう言いながら先生は、お母さんに頭を少し下げた。 それを合図に、私もお母さんに行ってきますと言ってドアノブに手をかける。 すると、空いている右手から暖かい感触がつたわってきた。