唐突な俺の言葉に驚いたのか、伊緒は固まってしまった。







口をポカンと開けて、ジッと俺を見てくる。







「な、なぁ進藤先生。そう思わない?」







「そうですね。僕もそんな気がします。」






「ほら、伊…」








キーンコーンカーンコーン…






「っっあ!!私行きますね。ココアご馳走様でしたっ」







進藤先生から助け舟が出た瞬間、まさかの予鈴。





固まっていた伊緒は、その音で我に返り急いで教室へと走っていった。






担任が目の前に居るんだから焦らなくても…。






「…片瀬さん、進路きまりそうですね。」






教室に行く準備をしながら、進藤先生が俺にそう言った。







「まぁ後は伊緒が気づくかだな。」







「そうですね。」







俺の言葉に少し笑いかけ、進藤先生も教室へと向かっていった。






教官室には俺一人。





さっきまでの騒がしさは嘘のように静かだ。