『只今より、女子100m走を開始します。』





太陽が真上から傾きだした頃、体育祭は終盤へと差し掛かっていた。





暑さは午前の部より増し、グランドの盛り上がりも増している。





そんな中始まった女子100m走。






私が唯一出場するこの種目は、午後の部の最後から二番目に行われるもので毎年すごく盛り上がる。





盛り上がるということは応援する人も多いわけで、私達走る側からすればプレッシャーは半端じゃない。





「はぁ……。」





どうりで種目決めの時に人気がなかったはずだよね。





『それでは一年生の皆さん準備して下さい。』





グランドに斜めに引かれたコースの周りには沢山の人がいて、それがまたゴールを遠くに感じさせているように見える。






「伊緒ー!!頑張ってーっ!!」