冷めてしまったコロッケが、寂しそうに手の中に残っている。




周りはもう真っ暗で、公園の中どころか道にすら人影はなかった。





「っぐす、ごめ…伊緒。」



弱々しい声が私へと届いてくる。




その声がなんとも儚げで、みている私のほうが辛い。




「…私は別に大丈夫。それより、話しできる?」




「…ぅん。」






進藤先生と恵那のやりとりを見ていて、勝手に幸せそうだなっとか思ってたけど、それは違ったのかな…。





この恋愛は恵那には苦しかった?




やっぱり無理だったの?





もう、あの初恋の嬉しさには戻れない?