最期の時に僕は夢見る

 どこに行っても、どこまで行っても、広がる風景は同じ。
 もう生きている人はいないのかもしれない。
 死体で出来た道を歩く。瓦礫で上手く前へ進めない。
 僕は、今生きているのかな? もう死んでいるのかな?
 ……神様、いるなら助けて。
 早く、助けて……
「か、みさま……なんで?」
 何もない空間を見上げた。
「なん、で? ……なんで助けてくれないの?」
 ただひたすら何もない空間に問う。
 何も起きない。
 今になって助けを求める僕は滑稽だろうか?
 それでもいい
 生きたい……