「『何でもあり』その言葉大好きだ」
挑発的な態度を改めて、また人懐こいニコニコ顔を浮かべた浩輔。
その笑顔だけで、あなたの将来のお嬢様は幸せになれそうね。
「少し歩こうか? この会場素敵だね」
「ええ、そうね」
柏原もパーティーを楽しむようにと言っていたし
麗香の為にセレクトされた会場はインナーテラスと庭園に出入りができるようになっている。
「執事さんもご一緒に」
浩輔は、柏原も誘った。
彼の目的は、私じゃなくて柏原から執事としての対応を学びたいから当然だろう
「茉莉果ちゃん、段差あるから気をつけてね」
浩輔のエスコートは中々悪くない。むしろ気分がいい。
普段……執事と主人は、こんなに密着しないけど
浩輔はまだ半人前だから密着していないと気遣いが遅れてしまうのかもしれない。



