「Guten tag! Marika」


「ぐっ……ぐーてんたぁぐ……」

 セルマン先生は、流暢なドイツ語を話すドイツ人だ。

 惜しむことなくドイツ語を披露してくれるのだが、残念な事に私には全く理解できない。


 語学が堪能な柏原は先生をお出迎えした後、すぐにイケメン調査に急行させてしまった為に私一人で乗りきらなくてはならない。


 あと二時間
 このオッサン……

 もとい! この先生と、嫌いなヴァイオリンのレッスンをしないとならないのよ。

 これも全て、あの爽やかボーイ。イケメンとの青春のためよ茉莉果!


 先生は、多分明るく華やかであろう曲の説明を意気揚々と語っていた。(※補足説明※この時セルマン先生は、美しい執事を誉め称えていたもちろんドイツ語)


 なんとなくドイツ語のわかる私は、インスピレーションで頷きながらもなんとかやり過ごす。