「少し古い建物ですが、管理会社に依頼をしていたので劣化が少ない。一生ここに住むことも可能だ」


「一生……?」



話は進んでいく。



「一生を、私とここで過ごすのです。貴女が望むなら、それも可能だ」



挑発的な微笑み。

普段の彼より、ずっと威圧的。


隙を見せたら一瞬で囚われて制圧されてしまいそう。


長い両腕が、私に差し出される……






「目が覚めた時から、ずっと抱きしめてもらいたかったのよ」



「わかっておりますよ。私は意地悪なのでしょう? 貴女が泣いて屋敷に帰りたいと言いだすのではないかと心配していただけです」





私は弾かれたように、彼の胸の中に吸い込まれてゆく。

何処にいても、何より大切な私の居場所だ。





「何があろうと、貴女が誰であろうと……俺は貴女を愛している」