「柏原!? いい加減にしなさい!! 私、怒るわよ!?」




柏原……

まさか、"いない"なんてこと……ないわよね?


柏原だけは、絶対に私を一人にしないわよね?




さっきは、穏やかに聞こえていた鳥の囀ずりが不気味なハルモニーに聞こえてきた。



どうしよう。



「柏原……」



タイから逃れようと、もがく手に涙が落ちていく。

結び目は、キツく私の手首に食い込んでいくだけだ。




やっぱりあんな性格の悪い男信じるんじゃなかったわ。
完璧に犯罪者の仲間入りね。

どうしよう私誘拐監禁されてるのね。