ぎゃっ!?

私と荷物を担ぐ執事。

どこにそんな力があるのよーっ?



「ゆ、誘拐って……んっ!」


言葉を唇で遮られた。



「静かにしろと言っただろ」


私は首を縦に振る。
執事は窓枠に足をかける。



こ……ここ二階よ?


いやぁーっ!
落ちたくないわーっ!



「死にたくなかったら、目を閉じて、大人しくしていてくださいね」



両手を縛られて担がれた私は、成す術なくただ頷いてギュッと瞳を閉じた。






もういいんだ……

力を抜いて、その全てを執事に任せる。