執事は、優しく私に口づけをする。甘く溶かされてしまう。



「また柱にされたくなかったら、言うことを聞いて下さい。お嬢様」


むっ……
卑怯よ。

そんな顔をされたら、無性に頷きたくなってしまう。



「お父様の言いつけを聞かない柏原なんて初めてだわ」


「ええ、内緒でございますよ? 無論、また縛られたい場合は、いつでもお相手いたしますから」


「わかったわよ! 行くわ!」



執事は驚いたような顔を見せると、そのまままた優しい口づけを与えてくれる。


「物分かりの良いお嬢様で、助かります」