「私は、紫音茉莉果です。あなたが津田さん?」


扉が、少し開き一人の男性から白い袋を手渡された。


「ええ、私が津田と申します。紫音茉莉果さん、この屋敷に住む方ですか?」


「警視庁」と書かれたヘルメットからチラッと顔を伺うと、声のとおり素敵な顔をしている。

スーツ姿に、「警視庁」と書かれたチョッキを着ていた。



「あなた、重いからコレ持ちなさいよ」


私は、渡された袋を扉の影で震えてる長身ひげ面に手渡す。


すると、津田さんはびっくりした様子で身構えた。


「犯人か?」

「はいぃ……犯人ですぅ」


絞り出されるような長身ひげ面の声。

なんて情けない声なのかしら?

背が高いだけで、ミミズの心臓くらいしか持ち合わせがないのね。

踏み潰したくなっちゃうわよ。