怒鳴り声に、怒鳴り声を返すと、私は玄関のチョコレート色した木の大扉に手をかける。


あれ?
そういえば、何故私が出ていかないといけないのかしら?


私は紫音茉莉果よ。

出ていくなら、柏原とひげ面達じゃない?


「兄貴……偽物だってバレてるじゃん」
「なんで、あの女わかったんだろ……」


まぁいいわっ!
私は、本気で怒ってるんだからね!


覚悟しなさいよっ柏原




ガンっ!


しーーーーん……





開かれた我が家のエントランスの大扉。


ん?


しーーーーーん



なんだか、シルバーの盾みたいなのを構えた人達が沢山いる。


「あの……どちら様でしょうか?」


すると、棒を振り上げた紺色の警察みたいな格好した人が「人質が開放されたぞっ!」と大声で言うと、盾が前進しなが私に近付いてくる。



「ひゃっあ?」


私は慌てて玄関の大扉を閉じる。

そして屋敷の中から鍵をガチャンとかけた。

するとさっそく、ひげ面兄貴がナイフを手に出迎えてくれた。

「お出迎えありがと……」


腕を捕まれて、私はさっきまでいた部屋に連れ戻されていく。

驚いた顔をしている執事がいる部屋に


「別に貴方に会いたかったわけじゃないわよっ!」

「お嬢様、出ていかれなかったのですか?」


ひげ面は高らかに笑うと「このお嬢様は、自分で戻ってきたんだ!」 と嬉しそうに歓迎してくれている。


「正真正銘のお嬢様だったとは、なぁ? 是非お近づきになりたいなぁ……」

厭らしく笑うひげ面に舌打ちをしてから、キッと柏原を睨み付けて隣にドスッと座る。


エントランスいた謎の武装集団がいて恐かったのよ。