「えぇっ!」
私も、驚いた。
だって……どうせ、お母様が露店商に騙されて買ってきたものだと思ったのに!
処分に困ってたから、プレゼントしちゃえばいいわ♪なんて気楽に考えていたのに!
「それを持っていかれると、本当はすごく困る」
柏原が弱気な声をあげた。
「私、変な事教えちゃった?」
どうしよう、一億円なんてお年玉貯金をおろさないと買い戻せないわよ……
「ああ……お前は、クビだ。今すぐこの家から出ていけ」
「えぇっ! かし…」
「気安く呼ぶなって言ってるだろ? 本当に、お前は物忘れが激しくて、人の話は聞けない上に、聞き間違いが多くて困る女だ」
「なっ? なによ!」
私が、困る女とか言ったわね?
だったら貴方は、もっと困る男よ!
困ってしまってニャンニャンニャニャーンよ!



