柏原の取り柄と言ったら、この美しいルックスだけなのよ!
あとは、性格とかは最悪極悪捻り曲がってるんだから!
「大丈夫? かしわっ…」
「気安く呼ぶな……って言ってるだろう。大丈夫だ」
黒髪が乱れて、頬が赤くなっている。
唇が切れて血が滲んでいた。
だけど良かった……
これで顔まで捻り曲がっちゃったら大惨事だけど、そこまで酷くない。
柏原は痛そうに眉をしかめ、キッチンの床に座りなおして黒髪の間からひげ面達を睨みつけた。
「暴力反対よ!」
私は、立ち上がる。
やっぱり柏原なんかに任せていたら全然ダメね!
「おまえは黙って……」
「どうせ殴るなら、お尻にしなさいよ!」
頭や顔を叩いちゃいけないって小学生でも知ってるマナーよ!



