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それにしても、知らなかったわ。

柏原が、紫音家の当主になりたかったなんて!


私は、柏原の広い背中にガツンと頭突きをくらわしたっ!


「この女は何だ? 随分と仲が良さそうだ」


ひげ面は、サングラスを外し厭らしい目線で私を見る。


「この女は、ただのメイド。見ればわかるだろう」




ふん……と、相手をバカにしたような態度で笑う柏原。

確かに、使用人服着てるしメイドと言われたらメイドに見えるかもしれない。


でも、内から発せられる高貴なオーラに気がつかないのかしら?





でも大丈夫よ。

柏原が、まだメイド萌え萌えニャンニャンを続行したいなら、私は付き合ってあげるわ。



だから、柏原……
紫音家を乗っ取らないで?

お父様が悲しむわ……



「うへへっ可愛いメイドだな? もっと近くで楽しみたいなぁ」


ひげ面三兄弟の、一番背の高い男がのっそりと近付いてくる。