「そんなこと、おまえが決めるな!」
「そうだな。そんな度胸がおまえたちにあるようには見えない」
「なにを? ……随分と偉そうな口をきくんだな。お前が、この屋敷の主人か?」
ひげ面三兄弟の視線が、柏原に集まる。
チッと舌打ちをする執事。
そうよ、貴方はただの執事よ。
ここは、私が……
「そうだ。
俺が紫音家当主だ」
なっななななっ!?
えっ!?
柏原は、威力満点の美しい笑みを浮かべた。
「かっ…かし」
「俺の名前を気安く呼ぶな、おまえは黙ってろ」
柏原ーっ
私にまで……威力満点じゃなくてもいいじゃないっ!
低く冷たい声に、私は何も言えずに、凍りついてしまう。



