縛られた私に柏原が寄り添う。


ひげ面達は、おもちゃの銃みたいのをこちらにむけている。

それに、カシャカシャと音をたてながらナイフの刃を見せたり隠したりしているだ。



本当に、マナーが悪いわね。



「ふん……それで立て籠りか? 随分ヘマしたな」


柏原は、そんなひげ面三兄弟をバカにしたような態度をとる。


でたわ!
暗黒バージョン柏原。

本当に性格悪そうな顔してるわね~。

私が、ひげ面だったら間違えてナイフで突き刺してしまうくらいムカつく顔してるわよ。

無駄に整っているから、余計にムカつくのね。



「なんだとっ!」

ひげ面は怒りを露にすると、銃を執事の額に押しあてた。



「殺りたきゃ殺れよ。ただし、この家には俺達二人しかいない……人質は二人いたほうが、後の交渉に便利だぞ。俺を見せしめに殺すのならば、警察の目の前で殺れ。そうすれば逃走経路が開けるかもしれない。うまく逃走の目処がたったら、彼女を解放しろ。二人殺せば目くじらたてて探されるからな」


柏原は、ダルそうにため息を吐き出すとひげ面にアドバイスをはじめた。