SPはまだ竜司を心配そうにみつめている。



「僕は、大丈夫だ。下がれ。……ねぇ茉莉果ちゃん、顔を洗ってもいい?」


竜司は、いつもより顔色が悪いみたいだ。


「いいわよ。こっちに着いてきて」


「とんだ災難だー」とか「じんまんしん出てない」とか騒ぐ竜次をバスルームに案内する。


えーとっ……

確かライトのスイッチが……


どこかしら?
自動で付くんだっけ?

バスルームに足を踏み入れても薄暗い室内。



「あれ? おかしいわ。いつも明るいのに……」


「大丈夫だよ。電気ついてなくても、廊下のライトでなんとなく見えるし。蛇口どこ?」


竜司は、上に着ていたパーカーを脱ぐと、大きなため息をついた。

真っ白なティーシャツに、デニムのパンツが中々男らしい……

意外ね?

竜司も、ちゃんとした男なのね……



「……ここよ」