「おーい……使用人……ディナーはまだか……はやく僕を開放してくれぇ……」



遠くでコアラの鳴き声が響く。

私は、柏原しか目に入らない。



イトシイヒト



柏原……
最近、私少し変なのよ。


貴方を見つめていると、こんなにも幸せ……


今度、セルマン先生みたいに柏原の尻を撫でまわしてみようかしら?

柏原の後ろ姿、特に尻を凝視してみた。

きっと筋肉がついてキュッと引き締まった尻をしているのよね?


「……おいしそう……」



「お待たせいたしました。皆様、今宵は愛の宴といたしましょう」


振り返った執事は私をみてから身震いさせていた。
ダイニングテーブルに彩り鮮やかな料理を並べていった。



喜ぶ変人同士
違うわ恋人同士



「茉莉果ちゃん! このディナーに付き合ったら、使用人が、また腕相撲の勝負してくれるって使用人が言うからなんだぁぁぁ……! うわぁー!」


竜司のシャツの隙間に、セルマン先生の手が浸入していく。

頬にチュと口づけをされると、また竜司は白目を剥いて泡をふく。


「竜司様、ディナーを前に大きな声をあげないでください。西原家の品位を疑われますよ?」


柏原はグラスにミネラルウォータを注ぐと、ナイフで竜司の拘束をとく。



そうして、楽しい夕食会がはじまったのだ。