私が、苦しそうな吐息を溢すと……
必要以上に卑猥に笑う執事。
ドンドンドンドンッ!
そんな柏原に落とされていくのも、悪くないのよね?
甘くしびれた唇
拘束された両腕
執事から与えられる全てが心地良い……
……ドンドンドンドン! 「コラァ使用人! 何やってる。はやく開けろ!」
柏原は顔を上げると、私の拘束をとき……湿った唇を拭った。
その仕草を、ただドキドキと胸を弾ませながら見守る。
無駄にセクシーだわ柏原!
「なんだ……いいところなのに……」小声で悪態を付き、音のするほうへと刺すような視線をむける執事
「来客かしら?」
「ええ、そのようでございます。お嬢様……続きは、今夜にでも……」
耳元で囁かれて、私は完璧に骨が砕けてしまった。
今夜?
今夜何が続くのよーっ!
ドンドンドンドン!
音は庭園側の窓から聞こえてくるようだ。
白いシルクのカーテンを、シャッと勢い良く柏原が開く。
ドンドンドンドン!
そこには、窓ガラスを叩く前世がコアラの竜司がいた。



