「────ふっざけんな隼斗! テメー覚えてろよ!」


 これが今流行りの友人との別れの挨拶なのかしら?


「ナツ様出発しますので、お座りになってください。」


 ナツは私の隣のシートに身を沈める。

 しかめられた眉が可愛らしいわね……

 柏原が眉をしかめたら、とことん憎たらしいけどね。



「はじめまして、今夜はよろしくね」


 緊張で声が上ずり、運転をする柏原から刺すような視線が送られた。


 仏頂面したナツは多分照れているのね、何の反応も示さない。


「私は、紫音茉莉果といいます。あなたと同じ高校生よ茉莉果って呼んでね?」

「まりか?」



 ギャッ! いきなり呼び捨て!

 柏原とは種類が違う鋭い視線で私を睨みつけながら、その綺麗な顔と声で私の名前を呼んだ!