これなら、今ここで私と柏原が愛し合っている事実を伝えても良さそうな雰囲気ね……


「お父様、実はもう一つお話が……」
「お嬢様、温かいお茶をご用意いたしましょう。お体が冷え切ってしまったでしょう」


だけど、柏原によってソレは遮られた。



「ちょっと……」



「旦那様と奥様、それに竜司様にも暖かい飲み物をご用意いたしましょう」


これじゃあ、私と柏原は今まで通りの

ただのお嬢様と執事だわ。




「柏原! 貴方、私たちのこと試したでしょ? お父様に許してもらえたのだから……」

「お嬢様!」


柏原は、私の話をピシャリと遮断した。


「只今より、また私は貴女の『執事』として仕えさせていただきます。よろしくお願いいたします……お嬢様」



ねぇ柏原──

貴方ずっとただの執事でいるつもりなの?