ツンデレのナツの対処法に悩んでいると……

「おい! ナツ……おまえ、紫音茉莉果さんを知らないのか? この辺りの高校じゃあ、すげー有名人だぞ」

 もう一人のイケメン隼斗が、私を助けてくれる。

 隼斗は私にの前で「お目にかかれて光栄です」と社交界の常識……紳士の挨拶を披露してくれる。

 その仕草はとても綺麗で中々素敵だ。


「こちらこそ、本日は素敵な試合をありがとう」

 私も淑女としての挨拶を返す。


 勿体ないわ。彼女さえいなければ、隼斗に乗り換えるのに!


「ナツ、オマエどうせ暇なんだろ? 付き合ってやれよ」

 人のいい隼斗は、ナツを説得してくれるらしいので私は黙って事の成り行きを見守るしかなかった。



 でも、大丈夫。ナツと私は運命の赤い糸で結ばれている……隼斗がキューピッドになってくれるのね。

 キューピッド役には勿体ないイケメンだけど、私のキューピッドにはちょうどいい。