「竜司ありがと、でももう優しくしないで」


「なんで?」


「私、竜司の気持ちには答えられないのよ」


「それはまだわからないだろう? 茉莉果ちゃんが少しでも僕の良さに気付いてもらえるように頑張るよ。それに君といるだけで楽しくてたまらない。昔はなんとなく可愛い子だなと想っていただけだけど、茉莉果ちゃんは性格も全てが可愛い」



「全てが?」



「そうだよ。天然だけど、素直で寂しがり屋で真っすぐだ」



サクッとミートパイをかじる。口に広がるトマトソースの味。

久々だわ……

確かに、ここ最近
屋敷では部屋に閉じこもってばかりいた。


柏原のことばかり考えて何を食べたのかも覚えていない。





竜司は、ふわっと笑う。



「ゆっくりでいいから、僕を好きになってくれたら嬉しい」


「でも……」

「だから、答えは急がないって! それにいい答えじゃないと聞きたくないんだよ。あははは」