「やっと二人で食事ができたね! 茉莉果ちゃんオムライス好きなんて可愛いすぎるよ。楽しいなぁー。明日もまたデートに誘っていい? どこか行きたい場所ある? 僕はね、茉莉果ちゃんと行くならどこでも……」
「そうね……」
うるさいコアラね。
柏原はいつ帰ってくるのかしら?
「明日は休みだし、どこか遠出もできるね!」
「明日……そうだ。柏原は、竜司の屋敷にいるの? だったら私、竜司の屋敷に遊びに行くわ」
竜司は首を横に振った。
「それはダメ。僕が君のこと迎えに来るよ」
「そんなの酷過ぎる」
お父様もお母様も勝手に決めて、柏原もそんなの従わなくていいのに……
私の気持ちを誰か考えてくれているの?
「酷いのは、君の執事だって! いつかこうすることが一番だったって思える日がくるよ。僕が約束するから、あの忌々しい使用人のことは忘れよう」
忘れられるはずがないじゃない!
「柏原ぁ……」
我慢できずに涙が出てきた。
屈辱。
コアラの前で泣くことになるんて……



