「お体の具合は良さそうですね、お嬢様」



「きゃー!!! ……柏原! やめて……見ないで!」



ブランケットを奪われ、下着姿の私を柏原がじっと観察する。
両手も掴まれて、頭の上で一まとめに押さえつけられる。


「はなしてっ! 変態!」


手足をばたつかせても私の抵抗は、微笑みでかわされる。




恥ずかしいのよ!
何を好き好んでこんな姿にされなきゃいけないのよ!


シルクのピンクの下着は、一番お気に入りのものだからいいけど……って、そういう問題じゃないわよ!



「貴女を、身の破滅に導いてあげましょうか? 貴女がそれ知りたいと望むなら"執事"として私にとっては簡単なことです」


「だけど……洋服着たままで教えられない?」


「申し訳ございませんが、それは無理難題にございます。それに……」


柏原の舌が、私の胸元を這う……

全身に鳥肌がたった。

そ……そんな!?
そんなことしないで!!



「貴女の下着姿など、見慣れています。いつも誰が、このベッドまで貴女を運んでいるとお思いですか」


ゾワッと身の毛がよだつ……陶酔させられそうな甘い音色。


「それに私を誘うのは、お嬢様です。怯えた顔は私には最高のスパイスになる。
どうですか? 少しの苦痛に耐えるならば、最高の快楽と狂うほどの極上の一時をお約束いたしましょう」