「このような思わせ振りな態度をしていると、いずれ貴女の身の破滅を招きます。茉莉果お嬢様……」
低い声が、耳元で囁かれる。
「身の破滅?」
「その全て壊してやりたくなるんですよ。お嬢様」
また柏原の唇が、また触れる。
優しく触れて、甘いキスをしてくれている。
この気持ちなんだろう?
例え全てを壊されても、柏原がここでキスをし続けてくれるなら……それでいいと思っちゃう。
だって、添えられた手も、肩を抱く腕も、ちょっと冷たい唇も
柏原は、優しい。
言葉では厳しい事を言うのに、貴方は優しすぎるの。
優しく触れて私だけを見つめていて欲しい……
その綺麗な瞳で。