「茉莉果ちゃん、顔色悪いけど大丈夫?」

「…………」



「果物を用意させよう、気分が良くなるよ」



私に、極上に甘いお茶を入れてくれるのは柏原だけだ。

心地よい香りを届けて……私を包みこんでくれるのは柏原だけだ。




貴方にしか……できない役目よ。




「茉莉果ちゃん!?」



あれ?
おかしいわ



手足が冷たくなってきた。




気持ちが悪い……




これは、全部柏原のせいだわ……



「大丈夫!? 茉莉果ちゃん、外を見てごらん気分良くなるよ!」


窓の外には広がる海。
穏やかだけど、波がうねるように私に襲いかかてきそうで恐い。




恐いっ!