「────柏原! この服装おかしくない? 私、可愛い?」


 今日は待ちにまった、あのイケメン少年くんとの初の対面。スポーツ観戦の日だ。

 パリから取り寄せたフワリとしたシフォンのベージュのワンピースを着た。これを着ると柏原は必ず誉めてくれる。
 


「とても素敵ですよ。お嬢様にはこのワンピースがとてもお似合いです。ただ……」


「なによ?」


「今日は、やめておいたほうが良いかもしれません」


 柏原が私の服装に意見してきたわ。これだから、性悪執事なのよ。


「嫉妬ね?」


 そんな柏原らしくない言葉の原因は、私がイケメンと恋をするから……性悪執事としては面白くないのだろう。

 俗にいう嫉妬よ。私は全てお見通しなんだから!