柏原の人差し指が、私の顎を捕らえる。 グッと引き上げ、私は苦しくて顔を歪めてしまった。 それを見下しながらも、傷ついた顔をする。 吐息がかかる距離に、芸術的な美しい顔。 執事は、ワインをティスティングするように私を見定める。 そして苦しみを吐き出すような低い声。 「これからは……私の手を煩わせないでいただきたい」 「言ってる意味がよくわからないわ」 「そうでした……その体に理解させて差し上げましょう」