柏原が、食後に用意してくれたのはアップルティー。


はぁー、幸せ。

ティーラウンジでため息をこぼす。


────RRR 、そんな優雅な一時を切り裂く電子音。

私のピンクゴールドの携帯がなっていた。

柏原は素早く携帯を手にすると、片手を添えて私に差し出す。


「ありがと」


携帯の画面を開くと知らない番号だった。


「誰かしら?」

不審に思いながらも、通話ボタンを押す。

『茉莉果ちゃん? 西原竜司です』


「にしはら……りゅーじ?」


どこかで、聞いた名前ね?