「茉莉果ちゃん! 約束だよ!」
「ええ」
コアラに小さく頷くと、もう私の頭にはオムライスしかなかった。
「────お待たせいたしました。お嬢様」
想像通りの完璧なオムライス。
「いただきます♪」
スプーンを入れると、柔らかい卵がフワリとしていて……味も格別!
柏原は、私の執事になるまでは料理経験はほとんどなかったと言っていた。
だけど、柏原の作る料理は五つ星レストランでも味わえない。
そんな執事がいることを、もっと感謝しなきゃダメね。
「柏原、今までありがとうね」
私が感謝を述べたのに、食後の為にに用意してくれているティーセットをガチャリと音を立てて置いた執事。
「今まで……? どの様な解釈をすればよろしいのでしょうか?」
「なによ、感謝の気持ちを述べたのよ」
「申し訳ございませんでした、勿体ないお言葉をいただきました」
柏原は頭を下げるけど、腑に落ちないような表情を浮かべる。