「お嬢様、手配が整いました」

さすが、柏原ね。素早い。


「ありがとう、今日は散歩でもしようかしら」

お茶を飲み終わり、スコーンも食べ終わったので、今日の私の予定はもうない。


「……散歩というものを、理解しての発言でしょうか?」


柏原は必要以上に驚いた顔をする。
確かにちょっと予想外な事を言って驚かすつもりだったけど……



「理解してるわ! 昨日の公園まで行って帰ってくるわよ!」

なんて失礼な執事なのかしら?

「お一人で?」

柏原はクスリと、小さく笑い挑発的な視線が私にむけられる。


「もっ……もちろん!」


本当は柏原にも来て欲しい。だけど……試すような顔をされると、その挑発にのってしまいたくなる。