「彼氏って執事さんじゃないの?」
「まさか! 柏原はお金払って雇ってるだけよ。身も心も私に忠誠を捧げているけどね」
「そうなんだ……、茉莉果ちゃんて可愛いのにやること凄いね。
それにしても、彼氏のこと辛かっでしょ」
辛かったわ……
あんな一目惚れは初めてだったし、何度もいうけどあんなイケメンだったのに……
浩輔は私の腰に両手を回すと自分の方へと引き寄せる。
私の後頭部に片手を添えると顎を肩にのせ優しく抱き締められた。
「俺が忘れさせてあげるよ……」
浩輔は私の後頭部を優しく撫でてくれた。
優しい……
柏原とは全然違う優しさね。
「その男は馬鹿だよ、こんな可愛い子フルなんて」
「……そうよね、でも私フラれてないわ」
「そうだよね。茉莉果ちゃんみたいな子が失恋なんて似合わないよ」



