柏原にも相談したほうがいいわよね。
私が結婚すれば、執事の柏原も一緒に連れていくんだもの。



ああ!?
しまったわ!

柏原は昨日から二日間の休暇中だったわ!


紫音家の使用人は柏原と陽子さんの二人しかいない。
だから、彼らは交代で休暇をとる事しかできない。

これを機に柏原も久々の余暇を楽しんできなさい、って言ったのは私だった。

でも、私が結婚するとなれば話は別よ。
柏原を呼び出すしかないわ!


「お嬢様、何か良い事でもございましたか?」

白いエプロンをつけた使用人モードの陽子さんは、お父様とお母様の付き人をしている時より、幾分家庭的で落ち着いた印象を与える。


だけど中身は、所詮陽子さんだ。



「あなたには、関係ないわ」