「お待たせいたしました、本日はレアチーズケーキとローズヒップティーをご用意いたしました。よろしいでしょうか?」


ほんのりピンク色の紅茶と、先ほど切り分けたレアチーズが私の前に並べられる。


「いいわよ。ねぇ柏原、このケーキはどうやって作るの?」


「こちらは、まずクリームチーズを……」
「クリームチーズはどうやって作るの?」


「クリームチーズは、生乳された新鮮な……」
「そういえば! 柏原ってサイボーグなの?」


「いえ……違います。茉莉果様、今から無用な質問は一日一つまでという契約を追加させていただいてもよろしいですか?」

違うの?
信じられないわ……

サイボーグじゃないのね。

そうよね、昨日触れた唇は……


って、ダメよ茉莉果!


首をブンブンと振ると、柏原はホラー映画でも見るかのように私に怯えた。


「そんなのダメよ! 執事失格だわ」



「それでしたら、今質問したい事を一つだけ厳選されて質問してみて下さい。そして私の答えは必ず最後までお聞きください。頭脳明晰な貴女様なら容易い事にございましょう」