しかし猛烈な吹雪に意識が消える一歩手前…
ギリギリで俺たちの前にホテル白熊が見えてきた。
「!!」
吹雪の中で赤い屋根の小さな白い建物が輝く天国に見える。
俺は最後の力を振り絞り綾音の手を引いて歩く。
入口の二重になっている扉を突破しホテル内に無理やり体を入れると、
俺はそのまま力尽きるようにその場に倒れこんだ。
「お、お客様!?」
「おい!誰か毛布だ毛布!」
雪まみれで今にも死にそうな俺と綾音に、驚いたホテルの従業員は慌てて毛布を用意してくれた。
「だ、大丈夫ですか!?歩いて来られたんですか?」
「は…はぁ…すいません…」
体をガタガタ震わせながらフロント奥の大きな暖炉の前に案内された俺と綾音は
毛布にくるまりながら震える手を暖炉に当てる。
「宿泊のお客様ですか?」
「は…はい…相良悠人と長谷川綾音です…」
「かしこまりました。ではフロントでチェックインのご用意をさせて頂きますね」
品の良さそうな還暦に近い男性従業員は
俺たちを気遣うように微笑むとフロントへ戻っていった。
ギリギリで俺たちの前にホテル白熊が見えてきた。
「!!」
吹雪の中で赤い屋根の小さな白い建物が輝く天国に見える。
俺は最後の力を振り絞り綾音の手を引いて歩く。
入口の二重になっている扉を突破しホテル内に無理やり体を入れると、
俺はそのまま力尽きるようにその場に倒れこんだ。
「お、お客様!?」
「おい!誰か毛布だ毛布!」
雪まみれで今にも死にそうな俺と綾音に、驚いたホテルの従業員は慌てて毛布を用意してくれた。
「だ、大丈夫ですか!?歩いて来られたんですか?」
「は…はぁ…すいません…」
体をガタガタ震わせながらフロント奥の大きな暖炉の前に案内された俺と綾音は
毛布にくるまりながら震える手を暖炉に当てる。
「宿泊のお客様ですか?」
「は…はい…相良悠人と長谷川綾音です…」
「かしこまりました。ではフロントでチェックインのご用意をさせて頂きますね」
品の良さそうな還暦に近い男性従業員は
俺たちを気遣うように微笑むとフロントへ戻っていった。



