俺はその時、どう行動するか。

「恋愛はね、綺麗事や理屈じゃないの。心と心のぶつかり合いだもの。時には誰かを傷付けてしまうものなのよ」






カオルさんの言葉が俺の胸に静かに響く。






「…で、どうするの?悠人ちゃん」



イツキさんはもう一度俺に同じ質問をする。



「綾音ちゃんのところへ行くなら乗せてあげても良いけど?」


「イツキさん…」


「ただしあのスノーモービルは2人用だから、4人だとかなり狭いわよ~?」





健二を見ると、健二は何も言わずにただ頷いてくれた。




俺は………










「…………お願いします」



俺はイツキさんとカオルさんにグッと頭を下げた。






「俺……綾音に会いたいです」






綾音に会いたい…

それが俺の正直な気持ちだった。





ただそれを認めるのが怖かった。


そんな気持ちは最低だと思っていた。






ごめんな、澪…


俺、お前が幸せを掴むのを見届けるまでは絶対に先に幸せにはならないつもりだから。



でも綾音に会いに行くことだけは許してくれるだろうか…。