俺はその時、どう行動するか。

「そ……れは」


「悠人ちゃんたら婚約者さんを傷付けただけでも罪なのに、さらに綾音ちゃんまで傷付ける気!?」


「……!」





カオルさんは俺の胸を叱るようにトンッと押す。




「あんたが今すべきことはこれ以上悲しみを増やさないことよ?ケジメをつけたいなら、綾音ちゃんを幸せにしてあげなさい!あんた男でしょ!」


「!!」





カオルさんの言葉に俺は息を飲んで目を大きくした。


イツキさんを見ると、そうだと言うように腕を組んでいる。





そ…うなのか?

そういうもんなのか??



確かに今の俺は、澪への申し訳なさばかりが胸を占めていて


綾音のことは考えられていなかった。



いや、考えなかったんじゃない。


俺は綾音のところへ行ってはいけないと思っていた。



そんなことは道徳に反することだと思っていた…。