バシッ!!



土下座していた俺の頭に突然、鋭い痛みが走った。



「………くっ」


反射的に目を閉じた俺がうっすら目を開けると、目の前には澪のハイヒールが転がっていた。



さらに顔を上げると

澪は俺にハイヒールを投げ付けたままの姿勢で、怒りに体を震わせている…。






バシッ!バシッ!


さらに立て続けに、俺に激しい痛みがはしる。


多分もう片方のハイヒールで澪が俺を叩いているのだろう。


容赦なく鋭利なヒールで俺の頭や背中を叩く澪。



けれど俺はその痛みを受け入れ続けた。




なぜなら…

俺を叩く度に、澪の悲痛な泣き声も一緒に聞こえて来たから。





「うぅ…ひっく…どおして…」



俺なんかの痛みより…澪の心の方がよっぽど痛いに違いない。


澪は今どんな気持ちで俺を―――…