4階のラウンジ『Berrys Cafe』に入るとムーディーな音楽が漂う空間が一面に広がった。





ほのかな明かりで照らされた小さなカウンターバーと、数は少ないがテーブル席もある。


カウンターの中には一人バーテンダーが立っている。


今客はどうやら俺たちだけらしい。


万が一、健二たちが飲みに来てもこの暗さならすぐにはバレそうにない。







「いらっしゃい」



俺と綾音はコートを脱ぎながらカウンターに座る。


横を見ると大きなガラス窓から遠くのゲレンデのイルミネーションが見えた。



なんていうか…

もっとショボいラウンジを想像していたから予想外に雰囲気が良くて裏切られた気分だ。


もちろんいい意味で。