「なに、マナは自分に誰も興味持ってないって思ってるわけ」
「え」
なんだか怖い。
「どうなの」
「え、あ、ま……まぁ、はい」
押され気味になりつつもそう返すとまた「バカ」という。
「なんでそんなにバカなんだろうね」
そういってから、黙ってあたしの顔を見てる。
「あの」
「……なに?」
「えと、その、どうしてずっと見てるのかなって、あの」
よく見ると黒目がほんのちょっと茶色の目。
「ダメ?みてたら」
ダメ?というその目が、あたしを射抜くようですこし怖くて目をそらした。
「そらすなよ、目を」
そういわれ視線を戻すものの、やっぱりまっすぐは見れない。
「俺ね、マナのこと好き」
突然の告白。
「へ」
「なんだよ、その返事。あんまりだなぁ」
「え、だ……だって、今日初めて会って、その」
見られたくない格好のところを助けてくれたんだよね。
「俺は好きだよ、マナのこと」
それに、好きと言っても、あたしの何を知ってて好きと言ってくれているのか。
「あたしは」
「うん、なぁに?言って、言って」
楽しげに返すその言葉に、なんとなく聞きたかったことが言えなくなる。
言葉に詰まっていると、ニッコリ笑ってこういった。
「ナオトもマナのこと、大好きだよ」
って。
「からかってるんですか?あたしが……その、誰も興味を持ってくれないって」
「そんなことで好きって言葉を軽々しく使わないよ、俺は」
そういったって、あたしはこの凌平さんて人の性格を知らない。
「わかんないです、そういわれても」
「じゃ、これから知ってよ。俺もマナのこと、知っていくつもりだから」
「でも」
「それじゃ質問。なんで今日会ったばかりの俺のとこ、ついてきたの?少なくとも興味もってくれたからじゃなくて?」
そう言われても、イエスとは返せない。
どこにも行けないっていうのもあったし。

