自分があんな風だったら、もっと見た目も彼女っぽくなるかなとか。

「いっぱい年下だし」

俯く気持ちと顔。あの時、凌平さんには年とか越えちゃうんだって言われた。

あの瞬間は浮かれそうになった。でも、そんなはずないよねって、後からどこかで落ち込むあたしがいる。

「いい加減にしてくんない?そういうの」

左の肩をトンと押されただけで、呆気なくベッドに転がるあたし。

「凌平……」

さん、と言いかけ、塞がれた唇。

「それでいいよ」

「え?」

離れた唇。キスの合間、凌平さんが呟いた言葉の意味がつかめない。

「呼び捨てて。俺のこと、もっと欲しがって」

「ん……や、ダメ。言えない」

唇が重なりそうになる。拒み、出来ないと言っても「許さない」とベッドに押しつけられてキスが繰り返された。

「マナって呼び捨てたの、女の子で初めてなんだって。俺」

もう抵抗もしなくなったあたし。すこしずつ深くなるキスに、抗う力が削られた。

「どうして、呼んだ……んですか?あた、しのこと」

どうしていいのか分からないまま、繰り返されたキスを受け入れてた。

嫌じゃないから、やっぱり拒めない。

「あたしのことだけって、多くないですか?」

浮かぶ疑問。胸にしまったままでいるのが苦しくて、吐露してく。

自分の中の気持ちと、凌平さんがくれようとする気持ち。それが本当に重なってるのか、恋を知らないあたしには判断できない。

「それだけ特別な存在。……そう言ってもわかってもらえないの?」

さっきまでの凌平さんが、薄れていく。その代わり、ここにいるのは時々見たことがある顔の凌平さん。

「独占したい。拘束だってしたい。周りに俺だけのだって気づかせたい。俺をこんなにも変えた女の子のこと。誰にも渡したくない」

「変えた?」

あたしの気持ちもすこしずつ落ち着いていく。泣き出しそうな凌平さんの頬に触れると、涙があたしに降ってきた。

パタパタとこぼれおちる、凌平さんの涙。

それは不快じゃない。受け止めてあげたくなる涙。

目を親指でなぞるようにすると、その手を掴まれた。そのまま引っ張られて、あたしは体を起こす。

「抱けたらいいのに」

あたしの胸元、頭をくっつけてポツリと呟く。

「抱いたらマナが俺のものになるなんて思わない。でも、もっと……触れたくて、たまんないのに。……俺、はっ」

自分を責める凌平さん。それは凌平さんのせいじゃないのに。