やがて、昼休み終了のチャイムが鳴る。

それぞれの教室に戻って行くアリスカ達。

そんなアリスカの背中に。

「あの…」

アルトは声をかける。

「僕みたいな奴がアリスカさんに偉そうに言うと叱られるかもしれませんけど…」

俯き加減の話し方。

そんな所まで、アルトは啓太によく似ていた。

「さっきの言葉…啓太に直接言ってあげた方がいいと思いますよ…啓太も自分の足りない所がよくわかるだろうし…きっと啓太にそうして欲しいっていう、アリスカさんの素直な気持ちだと思うし…好きだから、相手にそういう要求したくなるんだと思うし…」